■紹介
りんごの無農薬栽培に成功した、
木村秋則さんの無農薬栽培成功までの記録。
当初は悠々と始めた無農薬栽培への挑戦も、
5年を経過する頃には畑全ての800本ものリンゴの木が枯れようとしていた。
このときの本人の精神状態は凄いものがあったと思う。
また家族もすさまじい貧困の中、よくついてこれたと思う。
人と人の関係、人と自然との関係、そして農業について、
もう一度見直させてくれる。
■抜粋
○なぜ農薬も肥料も使わずにりんごが実るのか、
その科学的なメカニズムは今なお明らかになっていません。
確かなことは、木村さんの雑草の生い茂った畑には、
多くの虫が息づき、カエルが卵を産み、鳥がさえずる。
そこは本当に気持ちがいい場所です。
りんごの木にとっても、きっと同じだと思うのです。(P.6)
○データっていうのは過去だ。
過去のデータをどれだけ集めて計算したって、
新しいものは生まれて来ない。
未来は開けない。(P.37)
○人間が世、全部持っていくから被害を受けるんではないのかとな。
そんなことを考えました。
元々はタヌキの住処だったところを畑にしたんだからな。
餌なんかやったらタヌキが集まって来て、
もっと悪戯するんではないかと思うところだけど、そうはならんかった。
不思議だあと思った。
自然の不思議さに目を開かされたと言えばいいか、
とにかく自然は人間の計画通りには動かないもんだと思ったの。(P.44)
○畑が雪に埋もれると、木村は農業の勉強を始める。(P.49)
○田植えの直後は、
その根を張らせるのに精一杯で地上部があまり伸びないんだと思う。
そのかわり、地下の根が十分に成長した後は、
普通以上に地上部の葉や穂が成長するわけだ。
○パイオニアは孤独だ。(P.140)
○畑の姿は一年ごとに変化を見せながら、
リンゴの生育にとって理想の状態に近づいていった。
(中略)
最大の理由は、
畑に余分な栄養分が存在していないからだろうと木村は言う。(P.186)
○自然の手伝いをして、その恵みを分けてもらう。
それが農業の本当の姿なんだよ。(P.193)
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