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消された一家 豊田 正義 新潮社







■紹介
遺体なき大量殺人事件。
このように聞くとサスペンスドラマなどが思い浮かぶが、
この本の内容はフィクションではない。

巧妙なテクニックを様々に駆使し、
非凡とも言える支配する才覚を持った一人の男が、
一家族を監禁し、家族同士を殺し合わせた。

私達はこの事件から何を学ぶことができるのだろうか。

■抜粋
○心理的支配の最終段階は、
 被害者みずからの論理原則をみずからの手で侵犯し、
 みずからの基本的な人間的つながりを
 裏切るようにさせてはじめて完了する。(P.56)

○実験的に檻に閉じ込めた人間や犬などに電気ショックを与えつづけると、
 当初は逃げようとしていても、
 次第にそれが不可能だと学習し、無抵抗になっていく。
 そしてしまいには、扉を開けても檻から出なくなる。
 (中略)
 強制収容所における囚人たちの最終的な心理段階とは、
 生きる意志や自殺する気力さえも失くし、
 絶対受身の態度に徹することだという。
 こうした囚人達は「もはや食物を探そうとも暖をとろうともせず、
 殴られるのを避けようともせず、
 生きながらの死者とみなされた。」(P.111)

○『詰問を否定しても通電、
 肯定しても通電、黙っていても通電』というパターンのものとで、
 次第に『目前の通電をいかに回避するか』に注意が集中するようになる。
 (中略)
 『通電の制裁』の観念が先に浮かんでしまい、
 合理的な行動選択、動機付けがブロックされてしまうのである。
 その結果、緒方にとっては
 松永の意向をいかに敏感に的確に捉えるかが最優先課題となる。
 (中略)
 松永の支持は直接的、明示的ではなく、
 常に婉曲な示唆をほのめかしの形を取るが、
 緒方は直ちにそれを実行のサインと受け取り、
 そこに批判が介在する余地は無い。(P.289)

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