スキップしてメイン コンテンツに移動

濱口秀司さんの 『イノベーションを生み出すためのビジネスデザイン』を読んで

Think!2013WinterP.14~P.24のZiba戦略ディレクター濱口秀司さんの、
『イノベーションを生み出すためのビジネスデザイン』を、
読みました。

ずいぶん前に読んだのだけど、
「組み立てる・眺める・壊す」と「つなげる・まとめる・組み合わせる」の、
イノベーションのための方法論。

特に最初のモデル化がすごくいいなと思いました。
こんな風にできたらいいのだけど。
自分のメモとして、内容を簡略抜粋していきます。

(以下簡略抜粋)

■イノベーションの定義
 イノベーション最低条件として、以下3つの要素を内包する。
  • これは「見たことがない」、「聞いたこがない」というもの
  • 実行可能であること
  • 議論を呼ぶこと(※1)
 これに加え、
 業界や世界に与えるインパクト(マグニチュード)が必要。
 マグニチュードの大きさは、以下2つの軸で判断することができる。
  • 人の行動を変える軸(※2)
  • 人の価値を変える軸(※3)
■「ゼロ」から生み出すのではなく、「1」から生み出す
 「ゼロ」から「1」を生み出す方法論は残念ながら存在しない。
 だが「1」という手掛かりがあれば、
 そこに方法論を当てはめることで意図的にイノベーションを起こすことが可能。
 
 この「1」とは、「先入観」「思い込み」「常識」である。
 まずはこの先入観を「壊す」ステップが必要になる。

■先入観は壊す前に、組み立てて、眺める
 空気を壊せないのと同じで、形がないものは壊しようがない。
 まずは先入観という目に見えないものを実体化させ、
 観察する必要がある。

 重要な役割を持つのが「モデル化」、
 つまりシンプルかつロジカルなビジュアルとして図を描くことである。
 1999年当時、
 「将来、データはインターネット経由で送られ、
 記録媒体は不要になる」といわれていた。

 この状況をモデル化すると、
  • 今後のデータ量は増大し
  • データのやり取りはインタンジブル(体感できないもの)になる
となる。
本当にそうだろうか?
 この右肩下がりのラインこそ、「先入観」「常識」ではないか。
 右上のスペース、
 つまり「データ量大」「タンジブル」の象限にもなにかあるのではないか。
 「そのファイルちょうだい」と物理的にやり取りしたいときがあるのではないか。

 これが、モデル化して先入観を顕在化させ、壊すアプローチである。
 なお、モデル化の方法はさまざまだが、
 2軸を取る、あるいは4象限のマトリックスが有効である。

■フレームワークを強化する
 組み合わせ、新しいものを生み出す構想力を、
 「フレームワーク」と呼んでいる。

 フレームワークは、3つの要素で構成される。
  • 目的:(例)水を飲む、から、水を楽しむ、にすることで得られる可能性
  • 範囲:(例)木を見て森を見ず、あるいは森を見て木を見ず
  • 切り口:先入観の破壊
■イノベーションを生むブレスト
  1. 7人のメンバーにアイディアを1時間で100個出してもらった。
  2. 「なぜそれがいいかと思ったの」を含めて、3つ選んでもらった。
  3. 21個(7人×3個)のクールファクター(何がおもしろいかと考える要素)が集まった。
  4. クールファクターを基に、メンバーに質問を重ねる。
  5. 得た回答を基に、モデル化する。
  6. モデル化を基に、再度ブレストする・・・つまり、1に戻る。
※1
 本当に新しいものであれば、それは皆の持つ先入観に逆らうアイディアになる。
 先入観に逆らうと、未来は予想がしにくく、不確実性が高い。
 そのため簡単に合意ができず、物議を醸すとのこと。

※2
 Amazonのワンクリック注文は、
 10工程を1クリックに「行動」を変えたが、
 ウェブでの注文という「価値」は変わらない。

※3
3Dテレビは、
 平面を立体的に「価値」を変えたが、
 見るという「行動」は変えていない。

以上です。

まずは自分でやってみて、いいアイディアが出せたらいいかと思っています。
できたら、少し周りの人とやってみて、さらにいいアイディアが出せたら。
最近勉強会でブレストしたけど、ただ話すだけでもおもしろくなるから、
こういう方法論に沿ってやれたらもっとよくなると思いました。

コメント

このブログの人気の投稿

Excelのマクロの差分もGitHubみたいに見たいよね

なんやかんやでまだ残っているExcelマクロ。修正したはいいが、差分が・・・。 Google先生に聞いてみるとWinMergeでできるらしいが、なぜかうまくいかない。 そう、WinMergeもExcelもバージョンが新しくなっていたのでうまくいかなかったみたい。 前提は Excel 2013 WinMerge 2.14.0-jp63 over です。 以下差分を確認するための手順です。 WinMerge をインストール ここから WinMerge の2.14.0-jp-63 より新しいバージョンをダウンロード 画面に従ってぽちぽち押していけばいい。 ただし・・・このときに必ずカスタムインストールで プラグイン にチェックを入れること!!(このプラグインを利用します) WinMerge のプラグインの設定変更(やらなくてもOK) WinMerge を起動 プラグイン → プラグインの設定 → CompareMSExcelFiles.sct をダブルクリック ”ワークブックの情報を複数ファイルに展開する” にチェックを入れる Excel の設定変更 ファイル → オプション → セキュリティセンター → セキュリティ センターの設定 ボタンを押下 マクロの設定 を選択 ”VBA プロジェクト オブジェクト モデルへのアクセスを信頼する” にチェックを入れる WinMerge で差分を表示する WinMerge を起動して、比較したいファイルを二つ選択する プラグイン → 展開プラグインの選択 → ファイル展開プラグイ に CompareMSExcelFiles.sct を選択して OK ボタンを押下する 各シートの差分と合わせて、*.bas の形式でマクロの差分が表示される(はず)

間違ったフォーマットのプログラムじゃないんだけど

以下エラーに対し、 ファイルまたはアセンブリ 'SSPI'、またはその依存関係の 1 つが読み込めませんでした。間違ったフォーマットのプログラムを読み込もうとしました。 以下環境で対応した話です。 VisualStudio2012(C# ASP.NET MVC4.0) IIS7.5 とあるところのdllを使用中 ASP.NETをIISに発行しようとしたら、上記エラーが発生。 他のプロジェクトでは問題なく発行できているのに、 何かと思ってみたら、google先生に尋ねてみると、 DLLファイルの対象プラットフォーム(32bit/64bit)が異なる とのことでした。 このサイトでは対処方法として、 運用環境のプラットフォームに合わせ、適切なランタイムファイルを配布してください。 と記載されていますが、今回の私のようにとあるところのdllを使用している場合などは、 そうもいかない場合もあるでしょう。 そこでdllを変更できない場合には、 IISのアプリケーションプールの設定で、 32bitアプリケーションを有効化してあげることで対応できます。 以下手順です。 コントロールパネル → 管理ツール → インターネット インフォメーション サービス (IIS) マネージャー を起動します。 変更したいアプリケーションを右クリックして、詳細設定を選択します。 32ビットアプリケーションの有効化をTrueに変更します。 もう一度発行します。 ここまでです。 簡単だけど知らないとなかなかはまるかなって気がしますね。 独特のくせなのかもしれません。 そして、次なるエラー発生中です・・・。

SQLServer2008でのトランザクションログの切り捨て方

SQL Server 2008でとあるDBのトランザクションログが一杯に。 BACKUP LOG DatabaseName WITH TRUNCATE_ONLY を使ってトランケートしようとしたら、 'TRUNCATE_ONLY' はBACKUP オプションとして認識されません。 との冷たい返事。2008で廃止されていたのを忘れていた。 SQL Server 2008 で廃止されたデータベース エンジンの機能@MSDN そこでヌルデバイスを使用してバックアップを取得する方法で、切り捨てを試みる。 BACKUP LOG DatabaseName TO DISK = ‘nul’ GO するとまた冷たい返事。 現在、データベースのバックアップが存在しないので、BACKUP LOG を実行できません。 2008では過去にフルバックアップを取得しておかないと、ランザクションのバックアップが取得できないことを忘れてた。てなわけで、まずはデータベースのフルバックアップを取得して、 BACKUP DATABASE DatabaseName TO DISK = ‘nul’ GO もう一度トランザクションのバックアップをして、やっと切り捨てれた。最初から単純にしておけばよかった・・・。